Love the Moment

日原いずみ

幸せなお食事会

11月2日。
顧問として関わっている野川建設で新居を建ててくださったTさん夫妻のお招きで、社長、社員二人と、左官のOさん、私でのお食事会がありました。(大工さんもお誘いしてくださったけれど、日程が合わず)

Tさん夫妻が「空気がうまい家」を最初に知ってくださったのは、私の何年も前の投稿からで、私にとって、初めて知り合いが希望してくれました。モデルハウスを訪ねて良さをわかってくださったことがうれしくて、外側からサポートさせてもらいました。

結果、みなさんの精一杯の力の集結や結晶のような、素晴らしい家が建ち、Tさんご家族が快適に暮らしてくださっています。
そんなご縁から私も混ぜていただいてのお食事会でした。

それが大げさではなく、自分の人生の中での上位に数えられる(ランク付けではないけれど、思い出になる感動の)美味しさや時空間だったので、何年後かに振り返るためにも書かせてもらいます。

お店は、「白雲閣」(はくうんかく)



前店の「おやぢの台所」時代にも、東京からの編集者や大切な友達など、私にとってグレードの高いお方をお連れするお店だったけど(確かな技ありの和食)、リニューアルされて「白雲閣」(そもそもの始まりのお名前)としてのオープン後は行ったことがなかった。

天ぷら懐石等、食べてみたいと思いながらも、お値段的にもなかなか伺えないまま、10月半ばに地元のネットニュースで「白雲閣閉店」を知った。と同時に(左の画面で閉店のニュースを開き)、Tさんからお食事会のご提案のメールが届き(右の画面で)、お店の名前がなんと「白雲閣」!!で、最近ますます増えているシンクロのドンピシャ具合に興奮していた。

もちろん、白雲閣の閉店は寂しいけれど、「行かないまま閉店かなあ~」と思っていたところへのTさんからのメール。
Tさんご家族が、前店時代から大切なお店としている様子もfacebookを通して知っていたので、白雲閣の選択は、Tさんからの、最上級のおもてなしだと実感し、それだけでもとてもありがたい気持ちになった。

そんなわけで、私も知っている女将ちゃん(不思議な能力をお持ちの尊敬するお方)とお店での再会☺

ふだんはそこまで克明に載せることは、お店への配慮も考えて(アイディアを他店が真似しても良くないので)控えるけど、12月末でもう食べられないのかなあ~って思ったら名残惜しさや、閉店までに行く方が増えてほしい思いもあり、載せさせてもらいます。*平日の夜なら、ご予約に空きがあるそうです。

【おしながき】



素晴らしかったので持ち帰り、家で撮影したもの


順に出てきたお料理の写真です。 

照明の角度から影ができてすみません。

 


一皿目の美しさと繊細さに驚き・・・


自家菜園で採取したゴマ(貴重稀少な国産ゴマ)や里芋の風味の豊かさや舞茸の香り、甘い金目鯛。


脂が乗った、ふくよかな縞鯵。


思い切って一口でいただいた、秋の彩りや風味をまとった牡蠣。


箸休めは、目に美しく、食べて繊細な林檎のコンポート。真ん中はさつまいも餡かと(組み合わせピッタリ!)



お塩は2種類。舐めただけでお酒が進むような(パンチの強い)トリュフ塩も。



鹿児島産車海老!!お頭も味噌の風味が濃厚。


今年初松茸は、先付と、こちらでした!!


千葉の太刀魚。身がとろけるようにホワンホワン。

 


蕪の瑞々しさが残った状態でカリっと揚がるなんて!!


こちらは、長年のご常連のTさんのおかげでいただけた和牛フィレ!



お刺身でもいただける北海道ホタテのレアな揚げ具合。

敢えてうろこを残した金目鯛。皮はパリパリ、身はふんわり。

 


これまたびっくりの雲丹いくら。外の加熱と中の生を楽しめる不思議な食感。



天然鰤、こちらも半生。しっかりしたお肉のような味わい。



大げさではなく、これまでの人生で食べた栗の中で一美味しかった。
渋皮を残して、40分かけて火を通したおかげか、パリパリの渋皮の香ばしさと、甘みやホッコリ感が増した実の組み合わせが、「木の実!!」という味わい深さだった。


本ししゃも。初めて天ぷらでいただきました。本来は臭みが強い魚らしいけど(同席の左官さんであり生き物博士の話)、野趣に富んだ味わいだった。

合間に披露してくださった、土鍋で炊いたご飯(新潟のミネアサヒだったと思う)。

蓋を取ってくれる(オープンの)タイミングに、かつて大阪で鉄板焼きのシェフに聞いたスローモードにしたら、白米の眩しさにハレーションを起こしていて(笑)、動画をスクショしたらボケてしまいました。実際にはお米がキラキラに輝いて、一粒一粒立っていました。


その白米を使っての「かき揚げ丼」
もしくは「かき揚天茶」が選べました。
かき揚げもタレも、ご飯も美味しくて、終わってしまうのが悲しいくらいに、至福のお食事でした。
お酒のメニューも豊富で、落ち着いた、接客も丁寧なお店です。

 


プッチンプリンスタイル(遊び心)のデザート。

有精卵の豆乳トリュフぷりん。
濃厚で、固め仕立てのプリンが美味しかった!

最高!!のお料理の数々に、味わう時はみんな、言葉が出ないほどだった。

手が込んでいて、芸術の域だった。すべてがメインのような存在感で、圧倒されました。

同時に、こんなに素晴らしいお店が閉店することが残念だし、存続させられなかった豊橋の一市民として申し訳なく思うほどだった。
最初は敷居が高いと思っていたけれど、実際に味わってみたら、この値段では安い(申し訳ない、お値打ち)、大都市なら3倍の値段がするようなクオリティーだった。
閉店前になんとか体験してもらいたい、超おすすめ天ぷら懐石です!!

結局食レポが長くなりましたが、お席の会話では、左官のOさんの話が毎度ながら一つ一つ凄まじくて素晴らしく、漆喰の話から、ライフワークの生きものの話も盛りだくさんで(話が長いのだけど引き込まれて次々聴きたくなる)おもしろかった。

Tさんのおうちの漆喰の話(お部屋別に塗り分けられた模様も技術も素晴らしい)から、「空気がうまい家」に使われている「幻の漆喰」が他の漆喰と比べ、いかに優れているかが勉強になった。

家のプラン(設計)を担当したKさんの努力やお客様思いの熱心さや、駆け出しながらも誠意を持って現場監督を務めたIくんのがんばり、大工さんたちみなさんをまとめ上げた社長のがんばりなど、よみがえった。

Tさんのおうちは、お世辞ではなく、お施主様が良いと、こんなにもみなさんが最大限の力を発揮して、運や流れにも恵まれて、いろいろがうまくいくんだな、と感じる家でした。打ち合わせから引き渡しまで、清々しいTさんご夫妻のお気遣いがたっぷりで、みなさんがTさんのご期待にこたえたいと、きれいな気持ちで取り組んでいる様子が伝わってきました。

会ではTさん夫妻のお話も聴かせていただき、静岡と岡山出身のお二人が、豊橋に住んで、お子さんたちを育てて、このたび、新居を豊橋の地に建ててくれて・・・

Tさん夫妻は、私の長男と同じ大学の出身なので、お二人が過ごしたレンガ造りのキャンパスが頭に浮かび、大学でのお二人の姿を想像した。そして、大学時代の出会いから人生を共にしてきた現在の横顔を見ながら、「長男や同級生の子たちも、来春卒業するけど、こんなふうに結婚する子たちもいるだろうし、大学時代の出会いが、その後の人生につながっていく子たちもいるんだよなあ」と思ったら、一層感慨深い気持ちになった。

美味しいお食事も、楽しくて実り多き会話も、すべてが終わっていく(閉店に向かうお店、貴重な時間が結びに向かっていく)のが寂しいような、名残惜しいような、珠玉の時間でした✨✨


帰りに、みなさんでお店の玄関前で記念写真。
撮影は女将ちゃん。一眼レフカメラで、数々のご家族、ご親族の記念写真を撮ってきた腕前から、さすが、和ませ上手で、違う表情の3枚の写真を・・・


月夜の下、温かいお店での、とびっきり美味しくて楽しかった時間。
忘れられないです。
ありがとうございました。

10月、長男のアパートを訪ねた時に、「静岡」のお店で買いたくて探した、ささやかな新築祝い。



これを買ったPARCOの目の前に神社があり、周辺がご加護を受けているような印象でした。


上記の箱の中身はTさん夫妻をイメージしたブルーの陶器ですが、その前に見つけて、Tさん用に加えて、自分の分や、あてのないお土産用に複数買っておいた、ブナの木の「ツボ押し」

木の温かみや、丸みを帯びた形が良くて(Tさんの木造建築のご縁も)、
「おつかれさま」の気持ちを込めて、女将ちゃんにもお渡ししました。


Tさん夫妻も大切にしてきた白雲閣や女将ちゃんなので、そちらの宣伝も込みで、長々書かせてもらいました。

🌟白雲閣HP

hakuunkaku.com


🌟野川建設HP

nogawa-ken.co.jp


この先も「あの夜(美味しくて楽しくて幸せな時間)」を思い出すであろう、特別な、まばゆい時間でした。
ありがとうございました。