Love the Moment

日原いずみ

「虹のような日々」

 

前の投稿の続きになるけど、

次男の中学時代のバスケ部の仲間に久々に会って(みんな見事に変化、成長!!)、2年前の今頃は、中3だった彼らの最後の夏の大会の応援に奔走していたなあと思い出した。

 

ちょうど(私の)友達が無観客開催の中学の夏の大会について触れていて、大会そのものがなかった昨年は本当にかわいそうで、その前の年に、めいっぱい応援できたことを貴重に、幸せに感じた。

 

その頃に書いたエッセイを思い出し、掲載します。

これは、『ヒカリめがね 第4号』用に書いたけれど、その後、編集長の希望で全く違うテーマで書き直したため、保留となっていた内容です。

 

いい内容だと思うので(笑)、どう出そうかな、って思っていたけれど、同じシーズンの今、あの頃の彼ら、あの頃と今の違いが沁みる今、お届けします。

 

 <2019年7月30日撮影の虹と当時書いた文章>

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 次男とバスケ部の友達二人を後部座席に乗せた帰り道、市の総合体育館の駐車場を出て前方を見たら、大きな大きな虹がかかっていた。

「見て見て、虹!!」

「わー、ほんとだ!!」

 クールな次男は無言だったけど、フレンドリーな男子二人が歓声を上げた。

 私は久しぶりに見た「わかりやすい虹」に誰よりも興奮し、車を停めて撮影をした。

「その写真、欲しい!お母さんのLINEに送って!」

「オレも!」

 車内は盛り上がる。

 その日は東三(東三河)大会の初日で、豊橋市の大会で優勝した次男たちバスケ部は、東三大会でも1、2回戦を勝ち、翌日は準決勝、決勝というタイミングだった。

 中学最後の夏の大会。

「この虹、縁起いいねえ~ 明日もきっと勝てるよ!」と励ました後ですぐに、

「あ、今日勝ったチームは今帰ってるから、同じ虹を見てるか~」と、みんなで笑った。

 虹は思った以上に大きくて、端と端の間を車でくぐれるかと思ったけど、そんなことはなく、虹を追いかけるようにして私たちは家に向かった。

 想像よりは長く七色のアーチを描き続けていたけれど、やがて消えていった。

 次男がいつも部活に一緒に行き、一緒に練習し、部活がない日も一緒に遊んでいるような親友くんたちと車内から眺めた虹の光景を、私は一生忘れないだろうと思った。

 翌日、バスケ部は接戦を勝ち抜き優勝した。県大会へ進めたが、惜しくも初戦で敗退し、彼らの部活は終わった。

 

 子どもが属するチームを夢中になって応援した体験は2度目だった。

 1度目は長男が小学生の時に入っていたソフトボールのチーム。

 9人に満たないために友達から誘われ、温かく指導してもらえて、当時運動音痴だった長男が初めて選手になる喜びを味わえたチームだった。

 スライディングを華麗に決めるチームメイトもいる中、長男はベースからベースへの進み方が「だるまさんが転んだ」みたいに一人だけ競技が違うように感じられる時があり、それでも大人も子どもも笑顔で応援し合った。一試合の中で子どもたちの成長がハッキリとわかるような時もあった。

 身体が小さい次男はバスケ部でスタメンではなく、点差が開くと出してもらえるようなサブだったけど、強いチームでずっと楽しく部活に参加し、その姿を見るのがうれしかった。

 

『ヒカリめがね』創刊号の時、中2と小5だった我が息子たちは、現在高3と中3のダブル受験生。いろいろな思い出をたくさんもたらしてくれて、まだまだ成長の途上にある。

 あの頃できなかったことがアッサリできるようになったり、あの頃のような屈託のない笑顔を向けることは減ったり、かと思えば新しい考えも感性も関係もどんどん更新されていく。

 久しぶりに虹を見て、子育てや人生の一場面と重なるような気がした。

 子育ても人生も、虹のように美しい瞬間、輝かしい夢のような感動を与えてくれて、しかし、その都度のことは消えていく。同時にその体験から得たことや記憶は続いていく。

 時々息子たちの過去の映像を頭に思い描いて思う、「あの頃の彼らには会えないんだな」と。

 ぐんぐん成長していく息子たちは眩しくて頼もしくて、ちょっとだけ寂しい。

 虹の感動と高揚感と消えていく時の寂しさや切なさにも通じる。

 自分の人生を振り返って「あの頃は良かった」「あの頃に戻りたい」と思うことは一度もなく、前ばかり見て歩んできたし、常に今がいちばん幸せだと思いながら過ごしてきた。

 子どもの成長も、常に今がいちばん幸せだけれど、確実に巣立ちの時が近づいている。

 

 私のこの感情もきっと、虹のようにやがて消えていくだろう。

 ぶっつけ本番の一度きりの人生を歩みながら、子育てに限らず初めて出会う場面や感情によろこび、悲しみ、とまどい、涙しつつ、それそのものに出会えることを幸せに思う。

 

 願わくは、虹のように美しい人生を。

 地球や宇宙の恵みに感謝しつつ、心や魂を磨き続け、美しい何かや夢をつくり出せる、もたらすことのできる人を、親子それぞれ目指していきたい。

 

 

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 上記は、ダブル受験生だった息子たちの巣立ちを想像して書いた文章。

 その後長男は大学に入学し、静岡で一人暮らしを始めた。

 次男は進学校で勉強をがんばりつつ、バスケも続けている。

 コロナで変化してしまった社会、世界。

 久しぶりに会った仲間の変化した姿と変わらない笑顔・・・

 

 2年前のブログより、虹の日の試合の様子(動画をスクリーンショットした画像)。ドリブルしているのは次男。 

 

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1回戦で負けてしまった県大会後の写真(業者によるもので、のちにまんまと写真購入(笑)これは私のために買ったキーホルダー。思い出をとどめたいくらいに、あの夏、熱狂させてくれた選手たち)。*次男は、前列一番右(ナンバー11)です。

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予定外の今日の朝ごはん(笑)

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昨夜、買い出しに行った時に、ある友達が私に買ってきてくれたパウンドケーキ💕

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みんな、虹のように美しい思い出と、久々の訪問、ありがとう!!!