Love the Moment

日原いずみ

『サイズの合う靴、ちょっと背伸びしたドレス』と名古屋の帰りのできごと。

 

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次男は今反抗期なので、あまり会話しないけど、長男は抜けたのでよくしゃべる。
いま、いろいろおもしろい長男だけど、中学時代はたいへんだったよ😉

反抗期を抜けて大人同士みたいな会話ができるようになると、思春期育児は俄然おもしろくなる。イイ話を反発せずに受けとめられるようになる。

 

ある時、長男が高校の不満を口にした時(そもそもさかのぼると、近くに行きたい高校がない、という子だった)、「自分で抜け出して、自分に合う場所に行けるようになりん(なりなさい)」と助言し、2年前の「ヒカリめがね」のエッセイで書いた「サイズの合う靴、ちょっと背伸びしたドレス」を読ませた。

今朝、中国語スピーチコンテストでの、東大名誉教授の講演の話(詳細はブログにまとめてあります)を持ち出し、「大学教授って、あんなにおもしろい人もいるんだね」と話しつつ、「サイズの合う靴、ちょっと背伸びしたドレス」にも触れてきた。

長男が、自ら出場したおかげで、「外の風」に出会え、私もおもしろかった話を同様におもしろく感じていたことや、2年前には読もうともしなかったエッセイが響いてうれしかった。

このタイミングで書き添えておくと、土曜日の名古屋からの帰り道、豊橋駅にいつもいるホームレスのおばあさんを見て、長男が「カップラーメン食べるかね?」と言い出した。
何か温かいものを渡したいと思った様子。

それについて賛否あるのはもちろんわかるが、私は尊重したいと思った。
彼のその気持ちがどこから来たかと言うと、自分のバイト代でアメリカに行った時、ホストスチューデントの同い年のカイルがホームレスに20ドルも渡した場面に出会ったから。

その後長男は、校区に前々からいるホームレスの真っ黒なおじさんに希望を聞き、自動販売機でコーヒーを買い(過去にはその人を蔑むような発言をしたこともあり、私なりにホームレス自身の責任と社会について繰り返し説明していたので(ホームレスだけを責めるわけにはいかないと)、ちょっとしたお詫びの気持ちもあった)、今回は親子でおばあさんに希望を聞いたら、「お肉の入ったお弁当が食べたい」と言うので(具体的で笑ったが)、コンビニで唐揚げ弁当を買って温めて渡した。

おばあさんが恐縮するので(「この子の気持ちはありがたいけど、お母さんはいいの?」など)、「バイトもしてるから大丈夫」と伝えながら。

細かい背景を言えば、スピーチコンテストの一等賞の副賞として、図書カードが一万円分もらえたことも、彼の「何かしたい」という気持ちを後押しした。

言葉にはしなかったけど、もらえたから分けたい、というような心理だったと思う。

人間、お金がなくては、食べなくては生きていけない。

救いたくても、すべてを救えるわけではない。

「将来、自分が稼げるようになって、困っている人を支援できる人物になりんね」と伝えた。

海外に出たり、海外を意識して、得るものはいっぱいある。

長男の日本でのちょっとした行いに、大げさに言えば、私は外交を感じた。

まとまらないけど、思春期(青春)の記録として。