Love the Moment

日原いずみ

年の瀬に

 

編集者の芝田暁さんが亡くなって、facebookで芝田さんをタグ付けして思い出を書く方が複数いて、そのおかげで知る芝田さんの姿がある。

芝田さんからもお名前を伺ったことがある作家の山田真美さんもお書きになっていて、その投稿から知った、取材先のパプアニューギニアで、山田さんと芝田さんが、ともに溺れて死にかかった(生還した)話がすごく良くて、なんとなく、年末も年末、2019年の終わりに近づく今、お伝えしたいと思った。

生きる希望が湧くような、人生や運命の不思議を感じるような、また、芝田さんを直接知っているからこそ「わかるわかる」と笑っちゃう部分と、私もこっち側の(そんな風にしか生きられないある意味頭おかしい、クレイジーな)人間だよなあと感じたり・・・

 

ところが、山田さんのHPを見ると、

《当ウェブサイトの一部または全部を許可なく転載・引用なさることは固くお断りいたします》

とあり、ここに簡単に転載することは控えるので、お手数ですが、興味のある方は以下の手順でたどり着いてください。

 

作家山田真美さんの、「山田真美の世界」というHP内の、

「週刊マミ自身」 12月27日号 『編集者・芝田暁さん(享年54歳)の想い出』

の中に出てくる、取材先のパプアニューギニアの海で溺れ、死にかかった時のことが書いてある記事

 

です。

 

実はパプアニューギニアで溺れて死にかかって・・・という話は、お通夜の喪主挨拶の時に芝田さんの奥さんが触れていた。

その様子を、まさにその時一緒だった山田さんの筆によって読ませてもらい、その時(2002年)に死にかかった芝田さんが生還し、2007年に私は出会うことができ、誰よりも生命力が強そうに見えた芝田さんだったのに、2019年の暮れに亡くなってしまったんだなあという、不思議な気持ちになる。

私と芝田さんの出会いというのも、すごーく不思議なタイミングで、振り返ると・・・

 

①ある出版関係者のススメでポプラ社の社長に、自分のブログの中から抜粋したエッセイを盛り込んだメールを書いた

②私のメールがあまりに長いので、仲介してくれる人が社長に転送することを躊躇し、3ヶ月ほどの時間が経った

③その3ヶ月の間に、芝田さんがポプラ社に文芸部長として中途採用された

④私はポプラ社から、ほのぼのとした育児エッセイを出すつもりだったが、3ヶ月保留された私のメールが、元幻冬舎アウトロー作家をたくさん担当し、代表作は梁石日さんの『血と骨』という芝田さんに回り、ほのぼのとは真逆のインモラルな小説を書いてほしいと依頼された

⑤私もテレビのADの仕事で梁さんを知っていたご縁も重なり、芝田さんに励まされて『赤土に咲くダリア』を執筆した

 

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芝田さんのポプラ社在任期間が1年余りとのことで、そのタイミングに会えて熱く関われたことは奇跡だったなあと、数々の大物作家と組み、多種多様な本を世に送り出してきた芝田さんへのみなさんの想いを読むと実感する。

 

芝田さんからも聞いていた、山田さんの『死との対話』という2004年の本を、今アマゾンで注文しました。

 

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芝田さんの死をきっかけに読むことになるとは。

 

そして、最近お気に入りのこの歌。

なんかこれも、今の気分に合う。

 

 

www.youtube.com

 

 

いつまた書きたくなるかわからないから、「よいお年を」という感じのシメは書かないことにします(笑)

私はやはり、書き続けようって思う。