Love the Moment

日原いずみ

教育や受験のことで書いておきたいこと

 

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写真は、2週間前の、吉田園&吉田畜産のバーベキュー忘年会の時のもの。

一緒に写っているのは、私を弟分と呼ぶ、椙山女学園大学小川雅魚教授。

雅魚さんとは15年前くらいに知り合い、椙山女学園大の先生のゼミ生?に向けて、処女小説『チョコレート色のほおずき』にまつわる講演をさせてもらったこともある。

最近では雅魚さんが編集長を務める『渥美半島の風』にエッセイを寄稿した。

 

その日、バーベキューが始まる前に雅魚さんが長男の大学合格に「おめでとう」と言ってくれたことから、短い時間にぎゅっと、教育や受験に関するいろいろを話した。

それがとても大事なことを含んでいたので、一昨日のお話会でも少し触れたけど、書いておきたいと思い・・・

 

雅魚さんが言うには、「センター試験が日本人をバカ(ダメ)にした」とのことで、全く同感だった。

というのは、例えば5択のマークシート方式のために、必ず正解となる答えを学ぶ、暗記する、という勉強方法になってしまい、思考力が身に付かない。

 

~~~~~~~もちろん、ここですべてを表すことはできないので、雅魚さんと話したことの正確な記録ではないので、ご了承ください。雅魚さんはもっともっと広くて深くて新しいです~~~~~~~~~~

 

記述式のテストというのは、採点する大学側の教員と、受験生とのコミュニケーションである。

例えば、配点が5点のところで、10点あげたくなるような解答が来る場合もあり、そういうことによって、「オレたち(教員)の側も学ばせてもらえる」

正しい知識や見解を持った教授の採点であれば、5点か0点か、ではなく、2点はあげよう、とか、3点はあげようとか、柔軟に対応できる。

 

その点、新しく導入しようとしている大学入学共通テストは、センターテストよりもっとひどい。

なぜなら、アルバイトが採点する場合、このくらいの答えなら〇、これくらいは✖という判断が難しいため、少しでも模範解答(いわばマニュアル)から外れたら✖となってしまう。そのために、絶対に〇をもらえるような勉強(解答)の仕方にますますなっていってしまう。

考えや解答(回答)や意見は多様であっていいはずなのに、考える力を養うより、テストで点数が取れる解答を目指すような教育になってしまうことが心配・・・

みたいな内容。

 

元々私が信頼するジャーナリストも、センター試験はいらないと言っている(悲しいけれど、今回の大学入学共通テストに関しての英語のゴタゴタからも露呈したけど、大事な大事な教育の分野でさえも教育産業との癒着がある)。

また、私が3年前くらいにたまたま聴いたラジオに、まさに「大学入試センター」で働く女性が出ていて、「簡単な問題ばかりだと差がつかなくなるから、重箱の隅をつつくようなマニアックな問題をつくらなくてはならない」と言っていて、センター試験が日本の教育における一つの目安となっている(センター試験をいかにクリアするかという授業や勉強)現状を、必ずしも良いとは思っていない様子だった。

 

ということを頭に入れておくと、大学合格が絶対的に正しいわけでもないし、優れているわけでもないということがわかると思う。

 

次男は今日まで、ある塾の冬期講習をがんばりました。

 

長男は見事に受験勉強をしなかったけど(今日話して思い出したことでは、中3のお正月は私の実家に早めに行き、私の母親からお節料理の作り方を教わっていた)、次男は進学校を目指していて、内申点が高いわけじゃないので(兄弟ともに笑)、次男の希望で、長男は通わなかった塾に通わせている。

 

長男は、まだ進学校か商業高校か迷っていた中3の夏休みは、私のすすめで、とりあえず夏期講習に行かせた。それによって、受験勉強が必要だと思えばそのまま塾に入ればいいという判断のために・・・

結果的に、彼にとっては、決定的にバカバカしくなったようで、塾に入らず今に至る。

(高校でも塾の費用をかけず、バイトで3年間稼いで携帯電話代を払ったり、アメリカに行ったり、結果的に大学に合格し、バイトの貯金を大学への資金にしようとしている長男は客観的に立派だと思う)

 

長男の時に感じたこと(第一子だし、進学校に行かせた方がいいのか、と葛藤した時期もあった)と、次男を見て感じることから言えるのは、「塾は利用するもの」ということである。

塾に利用される親子もたくさん見るので、塾の信念をしっかり見極めた方がいいと思う。

もちろん、子どものためを思っての優れた塾が大半だろうけど、中には、営業じゃん!という塾もある。

塾が必要だと思わせる、不安をあおる=お金儲けの塾もある。

 

自分が通った中学と我が子が通った中学しか具体的には知らないけど、中学の先生は、塾や予備校みたいな指導の仕方は意外にしない。

テストの順位が高い生徒、点数が取れる生徒がすごい、みたいな思想を与えるのは塾だったりする。

競争の中に組み込まれていると、人としての正しさよりも、点数が取れることの方が優れているような錯覚を起こしてしまう。

私は、子どもを塾に通わせるのはいいと思っているけれど、そういう、点数至上主義みたいなものから子どもを守る必要はあると思う。

 

上記・雅魚先生も言っていたけど、点数が取れるっていうのは、それが得意な子というだけで、そういう子が必ずしも人として優れているわけじゃないのに、偏差値の高い学校に行った子が勝ち、みたいなマウンティングが世の中にできるのはおかしい、と(私が意訳してます)。

 

塾に毒されたと感じる二人の例・・・

長男が中学時代に柔道部で一緒だった先輩と同級生がいて、その二人は、同じ塾に通い、同じ高校に入りました。

商業高校に入ったばかりの長男が柔道大会で二人に会った時、先輩は商業高校のゼッケンをつけた長男に、

「お前も落ちぶれたなあ~」とバカにしたように言ったそう。

もう一人の同級生は、練習で組むことを拒否した(その子が好きじゃないから)長男に向かい、

「お前なんて、何一つ俺に勝ってないくせに」

と言ったそう。

息子は忘れても、お母さんは忘れませんよ(笑)

 

そんな考えが中学や高校で身についちゃう子はかわいそうだと思う。

世の中は広いんだよ。

いろいろな価値観があるんだよ。

 

私が教育や子育ての講座を草の根で続けているのは、日本を覆う(私が高校生だったころから覆い続けている)歪んだ価値観に惑わされずに、その子その子の宝を大事にしてほしいから。

親がまず自分自身やお子さんを信じてほしい。

 

このタイミングで書くのも変かもだけど、長男の中学の同級生で高校を中退した子の話に触れたことがあったけど、私が仲介した会社への入社が無事に決まりました。

 

いろいろな生き方がある。

私は自分の信念としても、いろいろな生き方を応援したい。