Love the Moment

日原いずみ

東京大学 上野千鶴子さんの祝辞を受けて


☆深夜に書き始めて、結局翌朝読み返して直してUP

 

寝ようと思ったけど、書きたいことが湧いてきて、明日次男の練習試合がなくなってお弁当を作らなくても良くなったこともあり、書いてから寝ます。

東京大学学部入学式の上野千鶴子さんの祝辞がfacebookで話題になっていて、複数の友達がシェアしていたので読み、遠方の親友がメッセージで「既知かもしれないけど」と送ってくれて、それについて改めて考えるうちに目が冴えてしまったのだ。

(上野さんについて、いろいろ私なりの思いがあるけど、割愛するので、どんな人かは調べてください(はてなブログのおかげで脚注はあるしね)。ただお伝えしたいのは、上野さんと親しい大学教授を知ってるので、彼が言うには、とってもエレガントな方だそう。私もメディアからの強そうな印象よりも数年前に映像で見た彼女からはやわらかな品性を感じて好感を持っています)

まずは祝辞・・・

 

www.u-tokyo.ac.jp

 

これについての共感ポイント、反応ポイントはいくつかあるけれど、この中に出てくる、


<東大には今でも東大女子が実質的に入れず、他大学の女子のみに参加を認める男子サークルがあると聞きました。わたしが学生だった半世紀前にも同じようなサークルがありました。それが半世紀後の今日も続いているとは驚きです。この3月に東京大学男女共同参画担当理事・副学長名で、女子学生排除は「東大憲章」が唱える平等の理念に反すると警告を発しました。>

この部分(笑)
こういうサークル、まさに早稲田大学にもあったし、今もあると思う。

自分自身は男女とも早稲田の学生のサークルに入っていたので、男が早稲田で女が女子大みたいなサークルのことは申し訳ないけどバカにしていた。

これは、女子大をバカにする話ではないです。男は早稲田、女は早稲田以外の女子大や短大でなければならないとしている仕組みやら、それをいいと考えている男子学生や女子大生とは相容れないと思っていたからスルーという感じだった。

 

おもしろかったのが、早稲田祭という秋の大きな学園祭で友達と構内を歩いたら、「ねえねえ、どこの大学?」と早稲田の男子学生に尋ねられ、友達と「~~女子大」みたいに嘘をついたらナンパされ、「早稲田」とこたえたら「じゃあ、いいや」とされたこと(笑)アホか!!

 

その他、東京大学に通う高校時代の男友達のダンスサークルの発表会に出かけた時に、そのサークルも、まさに男は東大、女は女子大という組み合わせで、観客席に、女子大生のお母さんたちがたくさん来ていて、あからさまに娘の彼氏か彼氏候補を品定めするような熱気に満ちていたこと・・・

そもそも、大学生の親が娘の発表会を見に来るという姿を異様に感じたし、娘もお母さんも変な熱に満ちていて(東大生とつき合いたい!東大生のお嫁さんになりたい!)、その、肌で感じたような違和感は20年以上経った今でも忘れられない。

 

ジェンダーの問題、私は男と女は同じではないと思うのでそれぞれの特性を活かした生活や仕事や子育てをした方がいいと思うけれど、男女は平等だし同権なのは当然だと思っている。

そんな中で、男と女の格差をつくってきてしまった原因は、男の側ばかりにあるのでは決してなくて、男に乗っかろうとしてきた女の側にも責任が重々ある。

女の敵は女」とよく言うけど、本当にそうだと思う。

~~夫人となることを目標とするような(わかりやすい例は医者夫人やら政治家夫人やら社長夫人やら、夫の側が主体であることを良しとする女性たち。結果的にそうなるのはいいけど(私の友達にも夫人という役目をがんばってる人たち、跡取りの教育に奔走している人たちいるので、現状への批判では決してなく、成り立ち方への疑問)、そこを目指そうとする女性たち。プロ彼女、プロ奥さんみたいな人たち)、自分で経済的、精神的な自立を求めるよりも、明らかに計算高く、配偶者の地位を利用しようとするような女たち。自分ではなく配偶者の序列を重んじるような女たち(海外の駐在員の妻にも多く、実際の話を過去に聞いてきたけど)、配偶者の財力によって得た家や車やブランド品に優越感を抱くような女たち・・・

私はそういう女性たちがキライです。

かく言う私も経済的な自立ができているわけではないし、むしろ、小説を書き続けたいから専業主婦になりたかったくらいだし、しかし専業主婦にはなっておらず(「専業主婦」という言葉は死語になりそうなくらいの日本の経済状況)、何より、上記の女性たちのように、そこ(夫のサポート役というよりは、サポートすらせず夫の地位や財力を自分のもののように誇示して偉い気になってるけど自立してない)を目指すような生き方はしてこなかったし、できない。

 

とにかく、時代は変わったのだと思う。

 

私たち世代や上には上記のようなリッチなマダムがリアルに目についたけど、10年下世代ではなかなか見かけない様子。専業主婦も激減だそう。

 

こんな風に昔の話を思い出して羅列するのは #MeToo問題のようだけど(それで言うのなら私もテレビのAD時代にセクハラみたいなことはいっぱい受けたけど、告発や告白に至ってないのは傷つくほどではなかったからだと思う。ゆるすべきじゃない、というのとはまた違う個人の感覚の違いなのでなかなか難しい)、この際書いておくと、

 

☆大学卒業後に再会した男友達が「会社にはお前ら(早稲田の仲間の女子学生)みたいなタイプがいないからつまらない」と言ったこと(個性の豊かさをうっとうしがられたり、ワセジョとバカにされたりもしたけど、ワセジョを高める発言がうれしかった)

 

☆私が早稲田大学を卒業してテレビのADや美術作家の助手を経て小説を書くようになった頃、私の経歴を先に聞いていた地元の男性(仕事関係)と初めて会った時に「もっとイケイケどんどんタイプの嫌な女かと思った」みたいに言われたこと

 

☆男兄弟で育ち、理系の大学院卒で、職場も研究所で女というものをあまり知らない夫と結婚後、「(私と結婚して私の友達と複数話す機会ができ)女の人も頭がいいんだと思った」と言われたこと

→これ、夫を弁護すると、そのように話す男性はけっこういます。女=頭が悪い、話にならない、社会的な話や議論ができないと思って過ごしてきた(単に頭がいいと思える女を知らなかった)男性たちが私や私の大切な友達との話で、女性を見直したり、尊敬したり、新しい発見をすることがよくある。

 

☆自分より私の方が知識や体験が豊富だと知った途端に委縮したり、おもしろくなさそうにする男性(自分が女より優位でいたい)が確かにいる

→自分自身の歩みで、男性とたくさん関わってきたけど、「知性や主張の面で、これ以上本当の自分を出したら嫌がられるかな」という感触の相手は多数いたし、そんな小さな人とは切れてもいいと思うけれど(恋愛という意味ではない)、暗黙のうちに男の人を立てなきゃ、みたいな縛りを自分に作っていたところはある。

 

☆10歳くらい年上の早稲田のOBさんたちと親しくなり、彼らが私のいないところで「まさよはスゴイよなあ~」みたいにいろいろ褒めてくれたらしいけど、誰かが「じゃあ、結婚したいと思う?」みたいに聞いたら「うーむ、結婚となると・・・(笑)」みたいな反応だったこと。これ、嫌味じゃなくて笑い話です。

私みたいなタイプの女性たちの自由奔放さやバイタリティーに魅力を感じたり褒めてくれる男性はいっぱいいるけど、「結局奥さんは違うタイプじゃん!」って人いっぱいいるから(笑)

まあこれも、世代で違ってくるかな。

 

という感じに、個性強めに生きてくると、男からの風当たりを感じたことは数知れず、その中でパッと思い出せるものを書いてみました。

 

私は男だとか女だとか関係なく尊重し合い、バカやって過ごせた早稲田の風土が大好きで、世の中もそうあって欲しいと思う。
男が女より優位だと勘違いして威張るのもよくないし、女が男より劣っていると思い込んでしまったり、必要以上に男を立てるのもよくない。ましてや、男の威や肩書や経済力を自分のもののように勘違いして威張る女はさらに情けない。

今日はちょっと辛口目に書いたし、ツッコミどころもあるとは思うけれど、言葉尻で腹を立てたりせず、私が伝えたい大枠や大筋をざっくり受け取ってもらえたら幸いです。

 

女が発しないと日本は変わらないと強く感じるので、今まで自分にとっては当たり前に受けとめてきた風景や思いを発することで、男性にも女性にも何かを感じてもらえたらうれしいです。

 

【追記】この書き方だと書き切れなかったこととしては、女の妊娠や出産・授乳時というのは女の負担がどうしても大きいので、その間は夫が妻を養うのは当然に感じます。もしくは社会が母を援助。産める性は女だけで、命のフォローを第一に、というのは当然で、ただ全体としての女の自立は自分も含めて必要だと思います。