今週は、実家に行く予定と映画『パラサイト 半地下の家族』を観る予定を月~水の間に入れたくて、お天気に委ねることにした。
結果、雨が降る月曜日に、雨のシーンが印象的な『パラサイト』を観に行くことにした。
カンヌ・パルムドール(最高賞)とアカデミー賞(4部門)を受賞している作品。
日本での公開が始まった後でアカデミー賞をとり、すぐに行きたかったけど、世の中はコロナウイルス問題に突入し、映画館に行けなくなり、この映画にとっても不幸だったと思う。
でも、待ちわびて、映画館にも行けるようになり、おそらく待っていた人も多かったのか、豊橋での上映回数も増え、初のIMAXでの鑑賞だった。
まず、しばらくぶりに行った映画館は、窓口の人を介してチケットを買う仕組みではなく自動券売機になっていて、席まで決めて入る仕組みになっていた。
館内は、一人おきに座るようになっていて、大きなスクリーンの広い会場で、私が観た回は、全部で8人しかいなかった。
映画の感想は・・・(まったく知りたくない方は読まないでくださいね)
すっごいおもしろかった!!!
予告編の、誰かのコメントにあった、
<最後まで 一瞬も 心を離さない>
これ、ピッタリ。
遊園地ですべてのアトラクションに休憩なく乗ったとか、すべての曲が迫力に満ちて刺激的で素晴らしいアルバム、それも曲と曲の間に空白がない、みたいな、そういう映画(笑)
すべてにおいて、対比や格差が見事に描かれている。
裕福な家族 と 貧乏な家族
高台の超高級邸宅 と 貧民街にある半地下の狭苦しい家
特に元々、インタビュー記事(末尾で紹介します)で予習してあった雨のシーンは圧巻。
上から下へ降りていく、落ちていく・・・それも、滑り落ちる、転がり落ちる・・・物語の展開もそう。
個人的なことで言うと、私は、東京でテレビのADを辞めて1年間フリーターをしながら小説を書いていたんだけど、その時、メインの仕事として、豪邸のお手伝いさんをやっていて(2015年に出版した『red』内のエッセイで書いた)、その体験を思い出した。
その家は、17億円という豪邸で、地下のガレージにはベンツが3台あり、3階建ての洋館で、広い庭にはあひるがいて、屋上にはハイビスカスが咲き乱れていた。
*ちなみに暮らしていたのは、父と息子(離婚して、母と弟は別のところへ)
その家の中でも、映画のようないろいろがあったので(笑)、大部分、豪邸が舞台のこの映画を、自分のバイト体験を思い出しながら観ていた。
映画の前半は笑いながら観ていたけど、後半はどんどんスリリングになり、蔑み、差別意識、そんなつもりではないとしても、金持ちの側の心無い一言や態度が、貧乏な側に積み重なっていった結果ともいえるラスト。
凄惨な場面もあるので、みなさんにお勧めできないけれど、ちょっとでも気になる人は観る価値ありありの映画です。
<本当にありがとうございます。私が小さい時に英語の勉強をしているとき、いつも片隅に置いていた言葉があります。
『最も個人的なことは最もクリエイティブなこと』
それは偉大なるマーティン・スコセッシの言葉です。私の名前がアメリカで知られていなかったときに、いつも私の作品を候補にいれてくれたクエンティン・タランティーノ。本当に愛しています。ありがとうございます。明日の朝まで飲み続けます。>
『最も個人的なことは最もクリエイティブなこと』
私もそう思うし、私の創作姿勢もそう。
ポン・ジュノ監督のデビュー作『吠える犬は噛まない』も好きだったけど、彼の、独特の温かみのある風貌がいいなあと思う。
いい小説を読むと、いい小説を書きたい!!って思うし、いい映画を観ると、男だったら映画監督目指したかもなあって思う。
なんか、悔しくなるのも本音(男女関係ないということはないなあ~ 家事とか考えずに創作に没頭してみたいけど、この人生を選んでいるのも自分)。
ある場面を観ながら、「人間ってこんな映画もつくれちゃうんだなあ。スゴいなあ」と思っていた。
あと、「コロナ騒動の前に撮影ができて良かったなあ」と思った。密な場面が圧巻だったりもするので。
とにかくおもしろかったです!!!
以下、3つご紹介。
いろいろな記事がある中でわかりやすくて良かったもの。
雨の場面の話など、興味深い。
私は小説も映画もディテールが大事だと思っているので(登場人物や設定に説得力を持たせるし、同時に、失敗すると全体が台無しになる)、その観点からおもしろかった記事。
映画館の応援も兼ねて、行ってみてください。
※上記の感想は、ネタバレ的なことは抑えて書いています。
感じ方は様々なので、ドーンと重くなる要素もありだし、苦痛に感じそうな方はお気をつけください。
おもしろさ含め、とにかく衝撃的です。