Love the Moment

日原いずみ

社本さんの絵 @ サロンぬくもり

 

 

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ギャラリーカフェ サロンぬくもりで3月3日まで開催の社本善幸作品展に行ってきました。

写真に載せた椿の絵(同じ3枚と5枚目)は、私の小説にインスパイアされての習作だそうで、特に最初の絵は、私が書いた世界観をまるまると同時に、小説には具体的に椿が登場しないものの、のちに、母から聞いた、私の実家の椿のうち、一本が朽ちる前におびただしいほどの花を咲かせた、というエピソードを描いてくれたかのような見事な作品で、胸がいっぱいになりました。

この絵は売約済みだったけど、私も欲しいくらいで、この場よりも帰りの車や、帰ってからの今もじわじわとうれしい気持ちになっている。

「赤土に咲くダリア」の中に、夕陽に染まる畑で母乳をしぼる若き日の私の母の想像上の姿を描いた場面があり、〈母乳は血から作られる〉〈母はどれほど自分の血を土に吸わせていたのだろう〉という描写があるが、それは、実話であり、フリーダ・カーロの絵からの着想でもあり、土に生きる農家の昔の女性たちのたくましさを書きたかった。

社本さんの絵には、私が小説を依頼された時のテーマ「大地に根ざしたエロス」が込められている。それを私が伝えたわけではないのに、ちゃんと読みとって(受けとって)くれている。

うれしい。
感動。

そして、社本さんの豊橋東高校時代の同級生の、映画監督の園子温さんの退院の話も重なり(社本さんは本人からの電話で話したそうで)、良かったね良かったね、と。

そもそも、社本さんの名前が主人公になっている「冷たい熱帯魚」との出会いの方が先で、その映画もやはり、血の赤が印象的。

この絵、ほんとに見れば見るほど良い。
写実的でありながら抽象的で、いろいろな想像が増す。
なぜだか涙が湧いてくるし、すべての色が好き。

社本のお兄さま、ありがとう 
ほんとにありがとう。