Love the Moment

日原いずみ

びわと小説『妊娠カレンダー』


【6月11日 投稿分】

びわは好きでも嫌いでもなくて、買ってまで食べたいとは思わないけど、近所のスーパーで、形は良くないけど安いものが売っていたから買って、数年ぶりに食べた。
びわ、と言えば、小川洋子さんの芥川賞受賞作「妊娠カレンダー」を思い出す。
妊娠カレンダーと言えば、グレープフルーツのジャムが有名な、狂気も感じるお話だけど、妊娠した姉を、冷静に観察する妹による日記みたいな形式で、その5月のある日に、
〈姉は突然、とんでもないものを食べたがった。雨の降る夜、枇杷のシャーベットが食べたいと言い出した。〉
という記述がある。
読みながら私も、「そりゃとんでもないよなぁ〜 見たことないわ」と思っていた。
※今となっては、フレンチのお口直しやジェラート屋さんの季節物でありそうだけど、市販品はないよなあ。
こんなふうに、日常で何か食べる時に必ず出てくる小説やマンガがあります(ありますよね😊)
小説やマンガで知り、食べたい‼️となったものも。
例えば、くらもちふさこさんの「アンコールが3回」の主人公の好物が「エビドリア」だった時に、田舎の中学生だった私はそんなもの見たこともなくて(笑)、豊橋や名古屋の喫茶店で探して、食べてみて満足した。
村上春樹吉本ばななの食べ物が美味しそうなのは定番だけど、他にもいろいろある。
びわを見ると私には自動的に「妊娠カレンダー」のその場面が毎年浮かぶので、書いてみた(笑)