私は今回の選挙、書いていた通り、「大塚耕平さん」(国民民主党)と「やすとみ歩さん」(れいわ新選組)に投票しました。
今回の選挙で私は、やすとみさんの演説をきっかけに「システム」というものを深く考えました。
この世はあらゆる場面でシステムが構築されていて、大半のエネルギー(人々のエネルギー)はシステムの維持(変革するにしてもシステムの中で)に使われていると思う。
政治も経済も教育も、現存のシステムを大きく変えることよりも、今あるシステムの中でいかにしてうまくやるか、特に政治家の演説や考え方は、そのような方向性が多い。
そんな中で、れいわ新選組の候補者のみなさんの主張は、システムそのものを疑ったり、システムという枠を取り払う考え方の提案も多くなされ(例えば、今回当選したお二人は、存在そのものがメッセージ)、私はそれをうれしく思った。
概念崩し、というのは芸術や文学など創作の世界が担っていたけれど、いよいよ、政治にもこのような考えが登場するようになったんだ、ということにワクワクしたし、間違いなく新たな始まりだと思う。
尊敬する人生の先輩美女お二人が口をそろえて「ようやく政治が愛で語られるようになりましたね」とコメントをくれて、その通り!!と思った。
経済効果経済効果とよく言われるけれど、今回の選挙による意識効果とでも言うべき効果は多大だったし、受け取った人と受け取ってない人に差ができたと思うけれど、新しい動きをバカにするのではなくぜひ受け取ってほしい。
生で聴いたやすとみさんの演説では、「システムの九官鳥に腹を立てても仕方がない」「富国強兵に替わる新しい政治の原理として『子どもを守る』」と言い(詳しくは7月16日付ブログ参照)、大西つねきさんは「あなたは何のために仕事をしていますか?幸せになるための経済を考えましょう」等々、誰もが資本主義や教育の限界を感じているところにもっともな主張を持ち込んだ。れいわのみなさんからは、政治をはじめ、古い体質の役所や会社で行われている「継承」や「維持」による停滞や危機を刷新するような話がなされた。
そんな夢みたいなこと実現するわけないでしょう?とか、「れいわ」の良さは感じつつも「国防は?」という意見も当然聞いた。
でも、2011年以降、選挙や政治というものに割と関わってきた身からすると、今までよく指摘された「お花畑的な発想」とは違っていたと思う。
私も、山本太郎初当選の頃は、太郎さんに関してまだまだ懐疑的だった(これは彼を直接知る人複数からの印象も含めて)、でもその後の太郎さんは明らかに成長した。今回太郎さんはすごく勉強している様子が窺えたし、何より覚悟がすごかったし、自分よりも相手のこと、社会のこと、という一貫した姿勢に共感共鳴が広がり、民衆の応援や結束が強まったと思う。
彼らを批判するのは簡単だけど、今回を経て、れいわ的な感覚をキャッチし、理解できない方が遅れてる、という気がする。
一方で私は、国民民主党の大塚耕平さんの17日間の選挙活動にも惚れ惚れしていた。
愛知県選挙区での確定得票数は506,817(2位)。
これだけの人々の票を集めるということ、県内外の大勢のスタッフの期待を背負って戦うということ、とかく、票(数)を求めがちな選挙においては、心を失っていく候補者も見受ける中、大塚さんは数に囲まれながらも、双方(候補者と支援者)からの心がずっと感じられた。
とにかく頭が良くて、わかりにくいことをわかりやすく、という能力はピカイチだと思うし、根底に世の中や人々へのやさしさがある。
今回の大塚さんが主張していた、「正直な政治」「偏らない政治」「現実的な政治」これは本当に、現在のシステムの中でぜひとも実行していただきたい。
選挙期間中、本人にもお会いしに行ったけど、新しい試みもいろいろ行っていて、その中で大塚さんは毎晩、事務所からネット中継をしていた。選挙後半、疲れが出てくる頃でも周りへの気遣いを忘れない。声が枯れた時もあったけど持ち直して、最後までしっかり考えを発していて、10月で60歳とは思えない、見かけのやわらかさとは違う体力にまずは驚いた。17日間通してのその変わらない様子(終盤に漂いがちな悲壮感や必死な感じが実際にはあったのかもしれないけれど、ずっと穏やかで丁寧な印象)こそに、政治家にふさわしい責任感や資質が表れていたように思う。
投票日の20時を回ってすぐに出た当確の瞬間や、事務所の花道を大塚さんが泣きながら入ってくる姿、本人の第一声もネットで中継されていたので、感激の瞬間を私も共有させてもらった。
落ち着いた頃に本人にお聞きするけど(若さの秘訣や健康法を知りたいという声複数w)、体力勝負を心得て、年間通じて絶対に鍛えていらっしゃると思う。
※大塚さんについては、7月10日付ブログ参照
話をまた「れいわ新選組」に戻す。
このブログでも書いたことがあるけど、ドイツの現代美術作家のヨーゼフ・ボイスは、「社会彫刻」という言葉を残した。それは、市民一人一人が、この世界をどのようにしたいかというビジョンを持って毎日の生活を送るべきだという提案(『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか』による解釈)。
アートも政治も表現活動だということを、今回のれいわの取り組みから改めて感じた。
世の中への訴え、革命、当落の結果ではなく(もちろん結果を求めつつ)、「意識」の浸透、変化・・・
れいわからの立候補者10名がのびのびと活動できたのは、市民から集まった(4億円を超えたという)資金のおかげ。
システムの中の政治家(政治家志望者)ではなく、市井で常々問題意識を抱えていた当事者たちが、その声を発することができた。
自分の名前で選挙に出るという覚悟は相当すごいけれど、自分が常々思っていることを聴衆の前で発言することは気持ち良かったと思う!!
当選したALSの船後靖彦さん、重度障害者の木村英子さんを批判する声があるのもわかるけれど、二人にはしっかりとした能力があるし(一人で超えられないのは物理的な段差)、何よりも、本当の本当に「命懸けで」出馬し、国会に行こうとしてくれる覚悟や思いに涙が出る。
いかにも障害を持っているという姿(*私は自分自身の病気も自分にとっては障害なので、障害という文字はこちらを使います)を人前にさらすだけでも勇気が要ること。
彼らに国会議員が務まるのか、彼らが訴えたいことは何か?ということを想像させてもらえること自体が大きい(上記の「意識効果」や「概念崩し」)。
この記事の下の方に木村さんの演説の文字起こしを添付するので読んでください。
れいわ新選組の個性豊かな10人の立候補者から今回私が受け取ったメッセージは、
<ほかの誰でもない自分を生きよう>
<自分を生きるのがつらい時は、そのつらさや痛みについて声をあげよう。つながり合おう>
<プライベートな問題を感じた時に、自分が解決したら終わりとせずに、社会のため、次世代のために働きかけるパブリックな意識を持とう>
大きくまとめるとこの3つ。
もともと自分自身が思っていたり、講演でも伝えている内容と合致したものでもある。
以下、れいわに関する記事の記録です。
【7月22日付 中日新聞夕刊 (書いたのは東京新聞の記者)】
【選挙結果を受けての、太郎さん自身のブログ】
【投票日前、7月19日の日刊ゲンダイ】
☆この記事はすごくまとまりがあるいい記事だと思い、しかし、偏ったライター(れいわや太郎びいき)だと嫌だと思って調べたところ、開高健ノンフィクション賞を受賞したようなお方だったので、下に紹介を添付します。
☆私は誰かの記事をシェアする時は、それなりに背景も調べて、間違いないものをと思っています(ネットやfacebookはすぐにいろいろが拡散されるけど、例えば著名人の顔写真を使って政治的なメッセージを添えたものなどは、本人の了承を得てないものも多いので、ありがたいとしても疑問に思います)。
上記の記事を書いたライターさんの開高健賞受賞作(2017年)はこちら・・・
筋金入りの選挙ウォッチャーなんだと納得したし、おもしろいのが、この賞の選考委員に茂木健一郎や森達也がいて、その二人も今回、れいわ支持の発言をしていたこと。
【友達から知った、木村英子さんの7月20日の演説より】
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まとまりないけれど、全体の選挙結果に関しては、「まあ、こんなもんだろう」という気持ち。
個人的にはかねてから応援してきた(facebookでもつながり、やりとりをしたこともある)川田龍平さんと、須藤元気さん(どちらも立憲民主党)が当選したこともうれしかった。
川田龍平くんは同年代で、薬害エイズ訴訟の頃から見てきたお方で、まさに命を大切にする議員。須藤元気さんの素晴らしさは7月17日付ブログ参照。
また、れいわの蓮池透さんについても、元々facebookでフォローしていたので(拉致被害者の家族として、元東京電力社員として政府を痛烈批判していた)、太郎さんからの声かけでの出馬もリアルタイムで追っていた。
(そんな風に、川田くんにしても、蓮池さんにしても、選挙期間以外を見てきたおかげで、にわかの主張ではないのがよくわかる)
れいわのみなさんは、選挙を通じてご自身の主張ができて、落選してもマイナスはないと思う(もちろんいいことばかりでは決してなくて、表に出た以上、心ないバッシングも受けているので、選挙というのは毎回、出る方々を尊敬する)。
明らかに何かの兆し、発露、発芽を感じる。
もどかしい投票率や結果でもあるけれど、新しい始まりを祝いたい。
最後に、山本太郎さんは、私の2学年下に当たり、まさに同年代。
私は中高時代、「ダンス甲子園」に熱狂していたので(LLブラザーズの弟に目が似てると言われたり(笑))、メロリンキューもリアルタイムで見ていた。
あの時のクレイジーな彼が決してマイナスとは思わない。
むしろ、やっぱりという熱を感じる。
うちの息子たちも、長男は昔からシステムに乗れるタイプではなかった。
でも、エネルギーは人一倍あった。
システムから外れているような子でも、そのエネルギーを社会のどこかで、一生のどこかで、プラスの方向に発揮できたらいいんだと思う。
太郎と一緒に年をとっていけることが楽しみだし、本当に希望の持ちにくい世の中だけど、彼がいてくれること、れいわに限らず、前向きなエネルギーを持った政治家が全国に確かにいてくれることを希望に、自分たちの問題として、できることを努力していきたいです。ね!!
[追記]
投稿後に知った、やすとみさんのブログ。
現象とか、システムとか、やはり同じ表現(システムはやすとみさんの演説を受けて私も書いた)が出てくる。
私はやすとみさんの言葉、しっくりくるけど、Twitterで攻撃されてて気の毒。私は個人的にも話したいお方だった。
また会えそう(笑)