Love the Moment

日原いずみ

「日本の政治家 どうして女性が少ないの?」

 

 

 

 

昨夜は、このイベントに参加しました。
*お写真は、関係者の撮影分です。

大事なことなので、長いけど読んでください!!

 

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大阪からお越しくださった講師の森屋先生

 

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森屋先生は、日本に女性議員が少ないことを危惧し、女性議員を増やすための活動を多岐にわたって行っている方。

これまでに開講してきた13回のスクールを通し、100名を超える女性議員が誕生しているそう。

 

森屋さんは冒頭、かつて見学に出かけたある地方議会で「女性ゼロ議会」を目にした時の衝撃を語ってくださった。

質問する側もこたえる側も男、傍聴席もほとんど男。女の声が入らないような場で大事な決定がなされている現実。

全国に1788地方議会がある中で、女性ゼロは339議会(18.9%)、女性おひとりさま議会は460議会(25.7%)、女性議員が一人以下という議会が、なんと45%とのこと!!(2月22日の朝日新聞より)

これは私も衝撃でした。

 

日本は男女平等度がとにかく低く、149ヶ国中110位、政治に関しては125位だそう。

多角的な分析のもと、日本の女性が政治に出にくい理由がいくつか挙げられ、森屋先生の講演の結びは、「とにかく、立候補者が増えること」 「選挙こそ、好機」ということで、全くその通りと思いました。

 

引き続いて、愛知大学教授でイベントのコーディネーターを務めてくださった樫村愛子先生と、4月の市議会議員選挙に立候補予定の古池ももさんとの対談。

 

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樫村先生は様々な要職についていらっしゃり、「豊橋に女性議員を増やす会」の会長でもあります。樫村先生とは共通の知り合いも複数で、facebookでは7年前くらいからつながっていたけれど、お会いするのは初めてでした。

イベントの前にご挨拶に伺ったら私のことを存在としては知っていてくださり、お話できて感激でした。知的でたおやかで凛とした素敵な女性。

樫村先生の温かいリードで対談は進み、ももちゃんがなぜ立候補しようと思ったか、活動を始めて今までに感じたことなど、もちろん真面目な内容なのだけど、樫村先生の懐の深さと、ももちゃんのキャラクターのおかげでコミカルでわかりやすく、政治へのなぜ?がとてもすんなりと「そうだよね」という感じに伝わってきました。

こういうふつうの感覚ってすごく大事。

樫村先生も最初に「ももさんはふつう過ぎるくらいふつうですよね」と言っていたけど(森屋先生主宰のスクールに政治家を目指してやってくる女性たちはふつうの人(〇〇大臣の娘とかそういう類ではなく)が多いです、という話を受けて)、本当にそう思うし、それがももちゃんの魅力で、その「ふつう」の感覚が今の政治に欠けているように思う。

 

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いつ会っても健やかさを感じるお方・・・(^^) 

 

対談の中で出た、広報豊橋4月号の、選挙に関するページへの指摘がとても興味深かった。

 

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この中で、選挙がわからない役目をするのは、女性(女子高生)、教える役目は男性。

それを当たり前としてしまう、この漫画に違和感を持たない感性(公共のものとしての配布)が実はおかしいということ。

既視感が強すぎて流してしまうようなページだけど、つまり、日本の社会や日本の女性たちが超えていかなければならないのは、こんなにも身近なことにあるのだと思う。

男が上で女が下という概念が巷にあふれ過ぎていて、例えば政治や経済が男のもの、みたいになっているとしたら、変えていかなくてはならない。
(私はカテゴライズするとすれば、男女関係ない、むしろ女であることを含めた個性が自分の売りとなるような文化の土壌にいるため、のびのび表現や活動しつつ、その原点(創作や思いの発露)にはジェンダーの問題も大きいことを改めて思い出していた)

 

森屋さんのお話の中に、世界での、議員の数を男女平等にするためのクオータ(割り当て)制や、パリテ(性別均衡)の話があり、フランスでは法整備までされているそう。

日本も、昨年5月に「政治分野における男女共同参画推進法」が成立したそうだけど、罰則もないので、どこまで浸透するかは不明。

 

私は、少子高齢化も含め、これらの問題はすべてつながっていると強く感じた。

 

出生率を回復させたというフランスに関して、2005年に「パリの女は産んでいる」という本が話題になったけど、私もたまたまフランスに長く住んでいた男性と20代(今から20年前)に話をした時、フランス女性の当時の意識を聞いていたので(日本女性からするとずいぶん進歩的に感じた)、重要なのは女が社会に向けてしっかり発言&行動するかどうかだと思っていた。

森屋先生が、世界が女性議員の割合を増やしていく中で、日本がそこまででもないのは、日本に「努力」が足りないから、と広い意味での「努力」という言葉で表現していたけれど、全く同感。

私はおかしいなと思うと、相手が男でも女でも年齢も関係なく、すべき主張はずっとしながら来たけど(小学校5年生での先生への大きな反抗に始まり・・・中学時代は先生や学校とのたたかいが当たり前だった)、周りを見渡すと、女性は愚痴や井戸端会議で終えてしまい、怒りの対象者に直接ものを言わない(言えない)人も多い。

それが同性として情けなく思うことも多々。

自分が傷ついたとしても、ささやかなたたかいを重ねていかなければ、男や社会は変わっていかないと思う。

「そういうものだから仕方がない」「言っても変わらない」と最初から受け入れたり諦めてしまうのではなく、せめて発言しなければ、と子どもを持って、未来のためにも一層思う。

すべてつながっていて、つまりは、社会システムの変革と同時に、女性の意識の向上や改革が不可欠なのだと実感した。

 

対談のあと、閉会に向けてのまとめ的に私がお話させてもらいました。

その場で感じたことを話すつもりで事前の準備はせず、ライヴ感を大事にしようと思っていたけど、結局は話したいことがいっぱいできてしまい、メモをした分、メモにとらわれ、うまく話せませんでした。
facebookに写真が出たけど、自分では気に入らない顔なのでこちらには転載せず(笑)

 

お伝えしたかったことはザックリ5点。

 

☆森屋さんのお話から受けた衝撃と「選挙こそ、好機」への共感

 

☆ももちゃんの事務所開きの時に思ったこと・・・ヒラリー・クリントンは「ガラスの天井」という表現をよく用いたけど、日本女性は圧力鍋に閉じ込められて、重い蓋をかぶせられているようだ、背負わされているものが重い(家事、育児、介護はまだまだ女の仕事とされ、その上で、産め!働け!みたいな風潮)、ということ。

 

☆私が政治に具体的な関心を持ったのは、2011年の東日本大震災原発事故。

当時、福島から母子避難してきたお母さんたちとともに、豊橋でできることを考え、「学校給食を放射能汚染食材から守るための要望書」を市長、教育長宛にお持ちした(結果は、放射能測定機の導入や継続的な計測につながった)。その時にお話した議長さんからは「豊橋放射能なんて飛んできてない」と言われたけれど、実際に土壌調査をすると、我が家の庭からもセシウムが検出され、確かに飛んで来ていた。

食べ物や空気への不安、第一に命を守りたい女と男の意識の違い・・・
(子育ての不安を身近なものとして感じる議員と、そうではない議員の違い)

 

☆日本の言葉は、「嫁」「家内」「奥さん」など、女を奥へ奥へ追いやろうとしてきた歴史や風潮を感じる。産後の出血は「悪露(おろ)」と言い、つわりは「悪阻」と書く。月経を不浄のものとされたり、命を懸けての出産や命を巡る言葉にまで「悪」がついていて、悲しさを感じたこと。

 

☆20年前に旅をして語ったフランスやドイツの女性たちは、シングルマザーもイキイキと働き子どもを育てていた。3週間泊めてもらったゲイのフランス人の友達もふつうに仕事し、ふつうに受けとめられていた。国として守るものがまずは命であり、多様な性や生、きっとそれらも、女性や当事者たちからの発言があったからこその社会だったと思う。

★長くなって言えなかったけれど、大学時代に有名な政治学の先生がスウェーデン少子高齢化対策のことを教えてくれて(本も読んだ)、その時にも確か女性議員の数の多さが背景にあった。25年前に学び、25年前にはとっくに問題とされていたのに、日本はなかなか変わらない・・・

 

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 私の後にお話した衆議院議員関健一郎くん。 

 

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 彼は自分の選挙の時に、ほとんどのイベントは子連れでOKだったし、彼自身もお子さんを連れてきていて、とても好感を持ちました(現在は4児の父)。

子どもを自分の印象アップに使う男性議員もいるけど、関くんの場合は、ふだんから本当に育児をしているな、と感じられたので・・・(笑)

 

それに、関くん自身がふつうの感覚を持っていて、今、国会でがんばっているし、ふつうの女性や母親たちへの共感も強くてありがたい。

 


観客席には、夏の参議院議員選挙に立候補予定の立憲民主党の田島まいこさんもいらしていました。

元国連職員のハキハキした美人さん(この手の話の流れだと、美人とか書くのも問題視する人もいそうだけど、私の持った自由な印象)。

*念のため、ももちゃんは無所属で、関くんや田島さん所属の政党と連携しているわけではないです。

田島さんのインタビュー記事でも、やはり女性議員の少なさを危惧する弁がありました。海外から見た日本は、女性が活躍できない社会と思われてしまっている、という内容もあり、本当になんとかしなくちゃならない時だと思う。
 

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イベント終了後、私の「嫁」「家内」等の発言をきっかけに、夫婦に関する呼称の問題を、同じような温度で私に話してくれた男性がいました。

もともとお互いの存在はfacebookを通して知っていたので、この記事を送ります、と伝えた2年前のもの・・・

 

川上未映子 「主人」という言葉が心底嫌い】

 

dual.nikkei.co.jp

 

当時話題になり、その後炎上やらしたらしいけど、今読み返しても、いい内容だと思う。

私もずっと、例えば結婚で名字が変わることも含めて、主人という言葉を迷いなく使う人や、嫁や家内と言われて平気な人(言う方も言われる方も)などに違和感を覚えていたので(神経質とは違って、思考や感性)、日本女性が当たり前に受け入れてきたことや美徳を、この辺で改める必要を感じます。

社会や言葉はなかなか変わらないけど、男性でも女性でも、自分の側の意識は変えられるので・・・

 

樫村先生を通して、イベントの前に名刺交換をした名古屋からの女性が、私の『チョコレート色のほおずき』を読んでくださっていてうれしかったです。
ジェンダーの研究などをされている方でしたが、私が23歳の時に書いた処女作のそれもまさに、(自分の言葉にまだうまくできないけれど、ザックリとした)ジェンダーについての意識が根底にあった。

20年以上前に書いたけれど、「生理」のことをしっかりと書いた。

タブーとは思わなかったし、書かなくちゃと思った。

 

今息子二人を育てていると、生理がないことは、こんなにも気楽なのかとア然とする。

同時に、男女には違いがあって当然ということも感じる。

だからこそ、男性の多い現場で女性の声が本来必要な場には女性を送り出さなくては、と思う。 

私がささやかながら書き続けていること、発信し続けていることも、草の根で、人々の意識を少しでも変えたいから。

子育てもそうで、たまたま男の子を授かったので、社会がまだ男優位なら、女の気持ち(男女関係なく人として命として大事なこと)がわかる男になるようにって思いながら育ててきたし、これからもそのように働きかけたいと思っています。